【不安払拭】個別指導の「正体」は、罰ではなく「点検」の機会です

歯科個別指導対策と準備研修会20251003② 未分類

こちらでは、歯科開業医の皆様に向けて、最も関心の高いテーマの一つである「歯科個別指導」について、その本質を正しく理解し、過度な不安を払拭するための情報をお届けします。

私は、長年、歯科医療と保険診療に携わり、多くの先生方のコンサルティングを行ってきた経験から、個別指導に対する「誤解と恐れ」が、冷静かつ効果的な準備を妨げる最大の壁だと痛感しています。

この記事を通じて、個別指導の「正体」を明らかにし、建設的な準備への第一歩を踏み出しましょう。

私たち歯科医師が「個別指導」と聞くと、「罰則」「摘発」「監査」といった厳しいイメージを抱きがちです。しかし、その先入観こそが、冷静な準備を妨げる最大の要因になります。

個別指導の目的と法的な位置づけを正確に理解すること。これが全ての対策の出発点です。

明確にすべきは、**「個別指導は、不正を暴くための刑事的な捜査や、罰を与えることを目的としたものでは決してない」**という点です。

厚生労働省が示す指導の目的は、「保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させること」であり、その本質は**「保険診療の質的向上と適正化」**にあります。

そもそも、保険医として保険診療を行う以上、私たちは健康保険法第73条等に基づき、厚生労働大臣の「指導」を受ける責務を負っています。

これは、保険医療機関の指定・登録を受ける際に、国民皆保険制度のルールを遵守することを約束した「公法上の契約」に基づくものです。

つまり、個別指導とは、その契約が正しく履行されているかを確認するための「行政指導」であり、保険診療に関するr-る、診療報酬請求の事務手続きの「点検」の機会なのです。


多くの先生方が混同しがちなのが、この二つの区別です。

種 類目 的選定の前提
個 別
指 導
保険診療ルールの周知徹底・適正化ルールへの理解不足や誤解による請求誤り
(不当請求)の点検、新規指導高点数
監 査意図的な不正請求の調査・確認不正請求の疑いが濃厚な場合
(通報、指導の結果、不正が強く疑われる場合など)

個別指導は、ルールへの理解不足や誤解から生じる請求の誤り(不当請求)などを点検し、改善を求める機会と理解すべきです。意図的な不正の調査を前提とした「監査」とは明確に区別されます。


ですから、個別指導を「対決の場」や「糾弾の場」と捉える必要は全くありません。むしろ、自院の保険診療体制や請求事務の運用が、現行のルールに適合しているか点検を受け、修正を促される「建設的な対話の機会」と捉えるべきです。

このように個別指導に関する認識を持つことで、過度な恐怖心は消え、客観的な事実に基づいて、冷静かつ的確な準備を進めることができるようになります。

ただし、多くの個別指導は、何らかの端緒(きっかけ)があるから選定されます。「不正請求や不当請求を疑う根拠」がある場合もありますが、一方で、以下のケースでは「事務的に」選定されます。

  • 新規個別指導:開院後間もない歯科医院に必ず行われる指導
  • 集団的個別指導:地域の平均点数と比較して、高点数であることが主な理由

この二つの場合、不正などの何らかの疑いがあるわけではありません。まずは、この**「個別指導の正体」**を正しく理解することから、あなたの対策を始めましょう。

歯科医院経営の安定は、保険診療の適正化から始まります。個別指導は、そのための重要なプロセスなのです。

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